2013-01-01から1ヶ月間の記事一覧

本谷有希子『生きてるだけで、愛。』*1

生きてるだけで、愛。 (新潮文庫)作者: 本谷有希子出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2009/03/02メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 30回この商品を含むブログ (73件) を見る 生きているだけで、愛。この陳腐な言葉は、どこか前付き合っていた、精神が不安定で…

プラトン『パイドン――魂の不死について』

副題にあるように、魂は、死にゆく肉体と異なり、またそこから離れて、不死であることを、対話の中でソクラテスが語る、それが『パイドン』である。 プラトンの作品は、初期・中期・後期に分けるのが通例である。ソクラテスが毒杯を呑むに至る、裁判が叙述さ…

柄谷行人『哲学の起源』2

b) 柄谷は、「イソノミア」を、アーレントの議論を用いながら、それでいてアーレントを批判しながら、自由と平等とが対立しないものとして提出するのだが、そのとき「イソノミア」をプラトン―アリストテレスによるソクラテスではない仕方で、歴史的ソクラテ…

柄谷行人『哲学の起源』

物質主義についての読書の一貫の一つとして、柄谷行人。大学四年のときに、彼の一連の著作を読んで以来、久しぶりに読んだ。 なぜこれが物質主義と関わるか。それは、彼が提出する”イソノミア”が、イオニアの自然哲学者たちの政治社会に現れているからである…

フォイエルバッハ『唯心論と唯物論』

最近、徹底的に古典的な物質主義(マテリアリスム。「唯物論」という訳は適切では決してない)に関する本を洗い出し、網羅的に読もうと思い読んだ。 マテリアリスムについては、だいたい全共闘時代の人たちや、70年代80年代を大学で過ごした人たちは、一定の…