2013-01-01から1年間の記事一覧

坂口恭平『独立国家のつくりかた』、高村友也『スモールハウス 3坪で手に入れるシンプルで自由な生き方』

独立国家のつくりかた (講談社現代新書)作者: 坂口恭平出版社/メーカー: 講談社発売日: 2012/09/28メディア: Kindle版購入: 1人 クリック: 6回この商品を含むブログ (6件) を見るスモールハウス 3坪で手に入れるシンプルで自由な生き方 (DO BOOKS)作者: 高村…

ルディネスコ『ジャック・ラカン伝』 b

ジャック・ラカン伝作者: エリザベトルディネスコ,Elisabeth Roudinesco,藤野邦夫出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2001/07メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 7回この商品を含むブログ (12件) を見る 昨日に続いて、ラカン伝。c. 面白く噴出すような…

ルディネスコ『ジャック・ラカン伝』 a

ジャック・ラカン伝作者: エリザベトルディネスコ,Elisabeth Roudinesco,藤野邦夫出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2001/07メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 7回この商品を含むブログ (12件) を見る ラカン伝を読んだ。フランス人特有のレトリック…

杉山春『ルポ 虐待――大阪二児置き去り死事件』

ルポ 虐待: 大阪二児置き去り死事件 (ちくま新書)作者: 杉山春出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2013/09/04メディア: 単行本この商品を含むブログ (23件) を見る 以前どっかの週刊誌で読んで記事が印象深かったので、book offするのを待つかいま買うかでし…

2013, 9/16 『大いなる幻影』、『巴里の屋根の下』

巴里の屋根の下 [DVD]出版社/メーカー: ファーストトレーディング発売日: 2011/02/16メディア: DVDこの商品を含むブログを見る大いなる幻影 [DVD]出版社/メーカー: ファーストトレーディング発売日: 2011/02/16メディア: DVD クリック: 2回この商品を含むブ…

8月の読書記録a

生活保護:知られざる恐怖の現場 (ちくま新書)作者: 今野晴貴出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2013/07/10メディア: 新書この商品を含むブログ (13件) を見る たまには本気で読書記録をつけてみようかと。 ひとつめは生活保護に関する本。具体的事例に富んで…

『ギリシア悲劇 2』

ギリシア悲劇〈2〉ソポクレス (ちくま文庫)作者: ソポクレス,松平千秋出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1986/01/01メディア: 文庫購入: 5人 クリック: 18回この商品を含むブログ (22件) を見る「アンティゴネ」ソポクレス*1 「アンティゴネ」をようやくなぜ…

2013,6/18 親であることと子どもであること

たいてい子どもは、意思の対象であり、操作の対象であり、こうして子どもを持つこと、持たないこと、父になること、母になること、それは、選択意志の対象としてひとつの善となる。 もし30を過ぎてパートナーがいたならば、ひとはその人に子どもについて考え…

國分功一郎『暇と退屈の倫理学』

暇と退屈の倫理学作者: 國分功一郎出版社/メーカー: 朝日出版社発売日: 2011/10/18メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 13人 クリック: 146回この商品を含むブログ (128件) を見る 一点だけ、気になったこと―些細なことだが―があった。それについて書く。…

2013年4月26日 芥川龍之介「トロッコ」について

連れがちくま日本文学全集をほとんど持っている。おしいれのダンボールからそれを僕の本棚にきれいにならべてみて、その一巻に手をさしのべる。そこにあるのは、芥川龍之介と書かれた背表紙だ。 めまいのように、落ち着きのない気持ちに配慮するために、勉強…

2013 4/4 「自殺」と「自死」の峻別について

インターネットのなんたら投票というやつで、「自殺」と「自死」の峻別に関して、「あなたならどう使う?」という問いが提示されている。 それはこうだ。 「自殺」と「自死」、あなたならどちらを使う? 自殺対策NPO「ライフリンク」の清水康之さんからの質…

ピエール・クロソウスキー『生きた貨幣』

クロソウスキーの1970年刊行の評論集。前年1969年には、『ニーチェと悪循環』を刊行している、ちなみに。この本の挿絵には、小説三部作をまとめた『歓待の掟』の一場面が使われており、『ロベルトは今夜』が1953年で、『ナントの勅令』が1959年、そして『プ…

AKB

北原みのりのラジオを聴いていて、相変わらずこのひとは、痛快で、時に本質的なことを言うと感じる*1。 聴きながら、じぶんのなかのアイドル嫌悪も、嫌悪という域から、理解へと歩んでいくことをも考えさせられる。 北原が韓流について語ることが真であるな…

130319想像的なものと象徴的なもの3

想像的なものと象徴的なもの。 ある経験、すなわち大切な人との別れと再会を、再び生きなおすこと。 ”再び”、しかし、新たに、その経験の意味を問うこと、それがそこに見られる思考の萌芽である。 言語の象徴作用によって、メタ的に、その経験を捉えることが…

13.0316想像的なものと象徴的なもの2

想像的なものと象徴的なものは、常に絡み合っている。しかし、論者は、このどちらを重要視するかで、立場を異にする。論理的には、1) 想像的なものの象徴的なものへの優位、2) 象徴的なものの想像的なものへの優位、3) どちらが優位に立つかはその情況や事象…

2013年3月12日想像的なものと象徴的なもの。

想像的なものと象徴的なもの。 フロイトは、『快原理の彼岸』で、言語習得中の一歳半の子どものFort-da遊びについて語っていた。あるひもを巻きつけた木製の糸巻を手にして、その子は、ベッドの縁へ向かって、その糸巻を投げ入れる。すると、ベッドの縁の向…

ダニエル・スターン『乳児の対人世界 理論編』小此木啓吾・丸太俊彦監訳、神庭 靖子・神庭重信訳、岩崎学術出版社、1989年。

乳児の対人世界 理論編作者: D.N.スターン,神庭靖子,神庭重信出版社/メーカー: 岩崎学術出版社発売日: 1989/10/20メディア: 単行本 クリック: 3回この商品を含むブログ (1件) を見る ダニエル・スターンの本を読んだ。これについては以前図表をあげたことが…

自殺について

最近改めて考えていたのは、死についてで、とりわけ小松美彦さんの『死は共鳴する』を道行く電車の中で読み続けていることもあってなのですが、小松さんによりますと、死というのは、対他関係の中に存するものであり、それは、医学的に問題となっている「死…

本谷有希子『生きてるだけで、愛。』*1

生きてるだけで、愛。 (新潮文庫)作者: 本谷有希子出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2009/03/02メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 30回この商品を含むブログ (73件) を見る 生きているだけで、愛。この陳腐な言葉は、どこか前付き合っていた、精神が不安定で…

プラトン『パイドン――魂の不死について』

副題にあるように、魂は、死にゆく肉体と異なり、またそこから離れて、不死であることを、対話の中でソクラテスが語る、それが『パイドン』である。 プラトンの作品は、初期・中期・後期に分けるのが通例である。ソクラテスが毒杯を呑むに至る、裁判が叙述さ…

柄谷行人『哲学の起源』2

b) 柄谷は、「イソノミア」を、アーレントの議論を用いながら、それでいてアーレントを批判しながら、自由と平等とが対立しないものとして提出するのだが、そのとき「イソノミア」をプラトン―アリストテレスによるソクラテスではない仕方で、歴史的ソクラテ…

柄谷行人『哲学の起源』

物質主義についての読書の一貫の一つとして、柄谷行人。大学四年のときに、彼の一連の著作を読んで以来、久しぶりに読んだ。 なぜこれが物質主義と関わるか。それは、彼が提出する”イソノミア”が、イオニアの自然哲学者たちの政治社会に現れているからである…

フォイエルバッハ『唯心論と唯物論』

最近、徹底的に古典的な物質主義(マテリアリスム。「唯物論」という訳は適切では決してない)に関する本を洗い出し、網羅的に読もうと思い読んだ。 マテリアリスムについては、だいたい全共闘時代の人たちや、70年代80年代を大学で過ごした人たちは、一定の…